世界競泳2007を総括する。
世界競泳2007(正式名称:インターナショナルスイムミート2007)が終わりました。
個人的な感想は、日本代表水泳陣、来年の北京オリンピック大丈夫か?!というものでした。各選手の記録がいまいち伸びなかったからです。
テレビ朝日の放送では、「メダルラッシュ」と言って騒いでいましたが、それも当たり前。なぜかというと、他の国の出場選手のレベルが低かったから。
日本代表チームとしては、当初、日本記録2桁を目標にしていましたが、現実は、4つでした。惨敗といっていいでしょう。
勿論、グラント・ハケット選手や、リスベス・レントン選手、ジェシカ・シッパー選手、リーゼル・ジョーンズ選手を擁するオーストラリア陣、カースティ・コベントリー選手等の一流選手も参加しましたが、他の国々のレベルは低かったと思います。特に、アメリカなどは、2軍ならぬ3軍のようなチームでした。私はアメリカの競泳選手を結構知っていますが、その私も全く知らない選手ばかりが出場していたからです。
そんなアメリカ代表としては無名の選手にも、日本人選手は負けていたりしたので、正直「大丈夫かなぁ?」と今後が心配になりました。
ただ、最終日の男女のメドレーリレーで日本記録が出たのは良かったと思います。特に、男子の最終泳者、佐藤久佳選手が引き継ぎタイムではありますが、47秒台を叩き出したのは凄いと思いました。これで、佐藤久佳選手の目標である、100m自由形48秒台も見えてきたな、という感じです。9月7~9日の競泳学生選手権に佐藤久佳選手は出ると思いますから、そこで記録の期待をしたいですね(佐藤選手も今年中に48秒台は出したい、と言ってるので)。そして、北京オリンピックでは、何とか100m自由形で決勝進出して欲しいですね(半世紀ぶり?!)。
今年の3月に行われた世界選手権で競泳日本代表陣は思ったような記録がでなく、且つ、世界のレベルが格段に上がっていたので、かなり驚いたのですが、それはなぜなのだろうと思います。
私は2日目に会場に行って、初めて、海外のトップスイマーの泳ぎを見たのですが、日本選手との違いを探そうと思ってじっくり見ていました。
パワーの違いと言えばお仕舞いですが、やはり、外国人選手の馬力は相当なものがあるなと思いました。フォームから言うと、日本人選手が一番フォームが綺麗でした。むしろ、海外の選手のフォームは粗く、ただガシガシ泳いでいる印象でした。でも、速い。
でも、先程も言ったように、それを言ったらお仕舞いです。だからと言って、日本人も粗いフォームでガシガシ泳げば、今より遅くなると思います。フォームが綺麗であれば、抵抗や無駄がなくなり、効率良く速く泳げるのは誰でも分かる事なので、フォームが綺麗な日本人選手の泳ぎは素晴らしいと思います。
では、どこが違うのか?と思って観戦していました。
そうして見ていると、外国人選手はキャッチが抜群に鋭いのが見えてきました。兎に角、手が入水後すぐに水を掴み、すぐ掻き始めている。だから、ピッチも速い。水をしっかり捉えて速いピッチで泳げば速い。という結論に個人的に辿り着きました。
だから、日本人は競泳でのスプリント競技で、遅れを取ってしまうのではないか?と思いました。実際、距離が長くなると日本人スイマーも勝てるようになっています。水の感覚だったのかー、と。
だったら、そんなに悲観する事はないと思います。水の感覚を鋭くする事は日本人にも出来ると思うからです。今後、北京オリンピックまでの1年に日本人スイマーは頑張って欲しいですね。
しかし、今回の世界競泳の日本代表団の選手の数は、50人と大所帯だったのですが、それはとても疑問に思えました。決勝には一カ国2人までしか出られないのに、そんなに大勢をレースに出してどうするんだ?と。勿論、折角の国内開催なので、多くの選手に場数を踏ませて上げたいという気持ちはあったのでしょうが、それにしても多過ぎだと思いました。実際、殆どの選手がB決勝に回るか、予選落ちしていました。派遣するだけのお金が勿体無い気がします。
ただ、来年の日本選手権兼北京オリンピック代表選考会の派遣標準記録は、現在の世界の水泳界のレベルアップを加味して、かなり高くなる事が予想されますので、北京オリンピックの競泳代表団はシドニーオリンピックの時のように少数精鋭になりそうです。
今回の世界競泳は、北京オリンピックの前哨戦と謳いながらも、B決勝制で、しかも決勝が午後開催でした。
北京オリンピックは、決勝&準決勝制で、しかも、決勝&準決勝が午前開催です。
ならば、北京オリンピック前哨戦を謳う世界競泳も、決勝&準決勝制にして、決勝&準決勝を北京オリンピックと同じ朝10時スタートにすれば、日本という事で北京オリンピックと同じ時期、似た気候、同じ時間(時差も殆どない)に開催という事で、絶好の予行演習とばかりに世界のトップスイマーが集結したはずです。マイケル・フェルプス選手の直前棄権もなかったと思います。
まぁ、午前決勝&準決勝にすると、集客力が減り、お金が儲からなく、1種目消化するのに3日間掛かる事から掛かるコストの面で、午後決勝のB決勝制にしたのでしょうか?
結局は「ゼニ」か、と。
とどのつまりが、北京オリンピックの競泳の決勝&準決勝開催が午前になったのも、アメリカのテレビ局のゼニの力だった訳ですから、ゼニの力には、人間中々勝てない訳ですね。
そうです、北京オリンピックは1種目を闘うのに、3日間掛かる訳です(1日目の午後→予選、2日目の午後→準決勝、3日目の午後→決勝)。だから、今回の世界競泳で、予選→決勝でタイムを落としている選手が多かったのが気になりました。「そんなんじゃ、タフな日程は闘えないよ・・・」と。いくら他の選手と条件が一緒だとしても、です。
特に、個人的な予想では、アメリカは、来年のオリンピック選考会は、北京オリンピックと全く同じタイムテーブルで開催するのではないか?と思っています。アメリカの競泳のオリンピック選考会はオリンピックの1ヶ月前に(日本のように日本選手権と兼ねたりするのではなく)全米選手権とは別に開催されて、上位2人が自動的に代表に内定というシステムになっています。
だから、選考会前に各選手は午前決勝&準決勝にガッツリと調子を合わせてきて、オリンピック本大会より厳しいと言われるアメリカ競泳代表選考会を闘い抜くのではないか?と推測しています。そして、その過酷な戦いを勝ち抜いた猛者達が北京オリンピック競泳に乗り込んでくるのではないかと推測しています。
そうなるとすれば、北京オリンピックは、アメリカ代表チームの一人勝ちで、マイケル・フェルプスも8冠を達成するのではないか、と思うとそら恐ろしいですね。
この1種目を3日間掛けて闘うオリンピック競泳でマイケル・フェルプスが8冠を達成するとすれば、フェルプスは人類史上最高のスイマーとして歴史に燦然と輝く事になるでしょう(過去7冠を達成したマーク・スピッツ選手の時代は、まだB決勝制で1種目は1日で消化できた頃だったからです)。
さて、今回の世界競泳で、一番目を引いたのは矢張り、スポーツメーカーであるミズノのプロモーションへの力の入れようでした。
先述したように、私は2日目の会場に行ったのですが、ミズノ一色でしたね。
世界競泳の事前のCMでは、アシックスと契約している中村礼子選手や、アリーナと契約している柴田亜衣選手までもが、ミズノの水着に身を包んでいるのを見て、「すわ!今回はシドニーオリンピック以前の久しぶりの「水着も一社のものに強制使用」か?!」と思ったものでした。
しかし、現実は違いました。ホッとしました。なんせ選手には自分に合った水着で最高のパフォーマンスをして欲しいですからね。ミズノ贔屓の私でさえそう思います。しかし、ミズノの圧力か知りませんが、ミズノ以外の水着は着用しても、その水着からはメーカーのロゴが外されていましたね。中々衝撃的でした。「ここまでするか!」と。まぁ、ミズノが日本国内でメジャーになるのは、ミズノ贔屓の私としてはいいのですが、多少驚きました。そして、アシックス、アリーナの水着のデザインはかなり地味なものになっていました。黒地に縫い目がピンクなだけ。
まぁ、ミズノは国内最大のスポーツメーカーなので、無理もないとは思いますが・・・。
しかし、これで、speedoブランドの国内での立場は完全になくなったと思います。ここまで、ミズノに先行されると、いくら三井物産がバックについていようと、今後speedoブランドを扱うゴールドウィンは辛い所ですね。少し前に、来年の春夏もののフラッグシップの水着に使う新素材を発表していましたが、その素材を使った水着に結構ブランドの運命が掛かっているかも・・・。
取り敢えず、私の行き着けのスポーツショップでは、例年9月下旬から10月上旬にかけて、来年の春夏モノの水着の新作予約会があって、そこで、各メーカーから、北京オリンピック仕様の水着がお目見えする可能性が高いので、今から楽しみです。
ただ、本当に北京でオリンピックで着用する水着に関しては、お目見えが4月の日本選手権までずれ込む可能性がありますが・・・。というのも、アテネオリンピックの時、speedoの場合は、オリンピック仕様の水着、FAST SKIN FSⅡがお目見えしたのが、丁度4月の日本選手権だったからです。
まぁ、今回は、ミズノに関しては、もうspeedo本社との契約もないですし、来年の4月よりは早い目に発表してくるかもしれません。
兎に角、再来月の来年の春夏モノの新作水着発表予約会が楽しみです。
そして、最後に北京オリンピックを目指している全てのスイマーに、残り1年を悔いなく過ごして、それを、来年の北京オリンピック選考会も兼ねた日本選手権にぶつけて欲しいです。そして、今年の世界選手権では遅れを取りましたが、その遅れを北京オリンピックでは取り戻して、(金メダルを含む)各色のメダルをたくさん獲って欲しいと思います。
頑張れ!日本人スイマー!
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